クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.10:おくすり手帳の活用~確実な情報の共有と伝達

薬剤師 斉田 幸司

平成23年3月11日に発生した東日本大震災から4年という月日が経ちました。津波被害等により医療機関や薬局、カルテや薬歴等、大きな被害を受けました。患者さん服用中の薬を正しく把握することがとても困難でした。東葛病院も停電などの被害を受け処方歴の確認が出来ず、とても大変な状況でした。そんなときに活用されたのがお薬手帳でした。

お薬手帳は、様々な場面で情報共有ツールとして有効に活用されました。また、本人が所有する手帳に情報が蓄積されることが、医療スタッフの交代や受診先の変更があっても即時かつ確実に情報を伝達することを可能にしました。医療スタッフの間では、カルテ・薬歴代わりとしても活用され、検査値や体調などを書き込むことで、医療スタッフの申し送り・伝言板の役割も果たしました。

薬局で薬を購入する時、救急病院を受診する時にも、お薬手帳を見せるだけで、あなたのお薬のことをわかってもらえます。薬の重複や良くない飲み合わせ、同じ薬による副作用の再発を防止できます。薬の使用の記録があることで、より安全に薬を使用することができます。一般用医薬品(OTC医薬品、大衆薬)・健康食品も記録しておきましょう。体調の変化や気になったこと、医師や薬剤師に相談したいことなども書いておきましょう。医療機関にかかる時は必ず持って行き、最新の情報を記載しておくことが大切です。

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