クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.09:インフルエンザワクチン ~ワクチンの基礎知識と接種の勧め~

薬剤師 中川 さくら

今シーズンからインフルエンザワクチンが変わります。A型に期待される効果については従来通りですが、B型のワクチン株と流行株との系統違いの不一致を解消させることが期待されます。接種量、接種回数、接種間隔はこれまでと同様です。インフルエンザワクチンにはインフルエンザの発症を予防する効能がありますが、100%の効果を期待することはできません。ただし接種の効果が低いとされる2歳以下の小児や基礎疾患などのためにワクチンを摂取できない方などを守ることができます。そのために多くの方に積極的にワクチンを接種するよう勧めています。

インフルエンザワクチンの効果の持続は約半年のため毎年継続して接種する必要があります。またインフルエンザウイルスのタイプが毎年少しずつ変化するためインフルエンザワクチンの内容が毎年異なります。免疫抑制剤・抗がん剤使用中の患者さんへもインフルエンザワクチンの接種は免疫の獲得は低いですが、おおむね可能です。ただし、抗体産生不全症、抗体産生を阻害するリツキシマブを使用中の患者さんには効果が期待できません。

他のワクチンとの接種間隔はインフルエンザワクチン接種直前に受けた予防接種が生ワクチンの場合は27日以上の間隔、不活化ワクチンあるいはトキソイドの場合は6日以上の間隔をあけます。インフルエンザワクチン接種後に他のワクチンを接種する場合は6日以上の間隔をあけます。ただし医師が必要と認めた場合は2種類以上の予防接種を同時に行うことができます。

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