クスリの あ・れ・こ・れ ~東葛病院~

No.08:認知症と治療薬

薬剤師 岡田 まさ子

2013年に厚生労働省が発表した認知症高齢者数は約462万人、予備軍も約400万人いると推計されています。認知症は誰にでも起こりうる脳の病気です。

認知症は、いくつかの種類に分類されますが、一番多いのがアルツハイマー病で約6割を占めています。最初に現れる兆候は、記憶障害です。直前の出来事や話した事を忘れるようになります。いつ、どこかわからなくなったり、今まで出来ていたことが出来なくなったり、興味、関心を示さなくなったりと日常生活の変化があらわれます。認知症かな?と思ったら出来るだけ早く、かかりつけ医や専門医療機関(もの忘れ外来)にご相談下さい。早期に診断し上手に対応していけばその後の経過や介護の負担も変わってきます。

認知症(アルツハイマー病)の治療薬は、ドネペジル(商品名アリセプト)が1999年に最初に承認され、その後12年間はドネペジルが唯一の治療薬でした。2011年にガランタミン(商品名レミニール)およびリバスチグミン(商品名イクセロン、リバスタッチ)、メマンチン(商品名メマリー)も承認され、現在は、4種の薬物が使用可能になっています。

認知症の治療薬は、いずれも対症療法で、認知障害の進行を緩やかにする薬物の早期からの使用が効果的です。服用しても状態が変わらないと思って服用をやめてしまうと使用しない場合と同じとの報告があります。病状が変わらないことが効いていることといえます。今後、研究が進み新規治療薬が開発されることを期待します。

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