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新型コロナウイルスにかからない・うつさないために
新型コロナウイルス感染症の治療薬
新型コロナウイルス感染症の治療薬にはウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬とウイルスと結合して細胞に入らないようにする中和抗体薬があります。
このうち飲み薬は現在、抗ウイルス薬の「ラゲブリオ」と「パキロビッドパック」、「ゾコーバ」の3種類のみです。他には抗ウイルス薬の点滴薬「ベクルリー」、中和抗体薬の点滴薬「ロナプリーブ」「ゼビュディ」があります。
治療薬の対象
「ラゲブリオ」は18歳以上で妊婦又は妊娠している可能性がなく、重症化リスク因子を有する方、「パキロビッドパック」は12歳以上で重症化リスク因子を有する方が対象です。「ゾコーバ」は12歳以上で妊婦又は妊娠している可能性がない方が対象で、重症化リスク因子を有しなくても使用できます。
「ベクルリー」は重症化リスク因子を有していれば軽症でも使用できますが、点滴薬なので主に入院中に使用されます。「ロナプリーブ」「ゼビュディ」は重症化リスク因子を有する軽症から中等症の方が対象ですが、オミクロン株に対して効果が弱いと言われています。
治療薬の使い分け
- 「ラゲブリオ」は最初に使えるようになった薬です。妊婦又は妊娠している可能性がある方は使えませんが、腎機能が悪い方も使用でき、ほかの薬との飲み合わせもないため最も多く使用されています。しかし、有効性が「ベクルリー」や「パキロビッドパック」に比べ低いとの報告があります。
- 「パキロビッドパック」は有効性が高いとの報告があり、妊婦又は妊娠している可能性がある方にも条件付きで使用できます。しかし、腎機能に応じて服用量の調節が必要で、併用できない薬も多くあるため十分な確認が必要です。
- 「ゾコーバ」は重症化リスク因子のない方にも使用できますが、妊婦又は妊娠している可能性がある方には使えず、併用できない薬も多くあるため十分な確認が必要となります。また、腎機能が悪い方への影響は調べられていません。効果が限定的で症状の短縮効果も8日が7日になる程度であるため、緊急承認審査の妥当性も合わせ有益性の評価が議論されています。
- 「ベクルリー」は点滴薬であり3日~10日投与する必要があるため入院で使用されます。
- 「ロナプリーブ」「ゼビュディ」は発症を抑制する薬ですがオミクロン株をふくむ変異株に対しては効果が弱くなっています。