トップページ > 資料保管庫 > 薬害イレッサ 書庫 > 副作用被害救済制度
イレッサは、イギリスに本社を置くアストラゼネカ社が開発した肺がん治療薬。2002年7月、日本が世界初の製造承認をしました。5カ月という異例の速さで審査をおこなった結果です。
「副作用の少ない夢の新薬」という宣伝で売り出されましたが、発売直後から多数の副作用被害者を出しています。2010年3月まで間に810人の副作用死が報告されています。
医薬品の承認制度のあり方、宣伝広告・販売のあり方を問う裁判は、2010年8月に結審し、年度内に判決を迎えます。
原告・弁護団は、全面解決要求書で「抗がん剤による副作用死を対象とする副作用被害救済制度を創設すること」を求めています。
1 救済制度の歩み抗がん剤副作用死被害救済制度の創設をめざして (2010/10/22)
2 救済制度の根拠
3 抗がん剤副作用死被害救済制度
1 現在の医薬品副作用被害救済制度の給付内容抗がん剤副作用死救済制度の給付内容と運用費用について (2010/10/22)
2 抗がん剤副作用死被害救済制度の給付内容
(1) 遺族一時金:7,135,200円
(2) 葬祭料:201,000円
3 給付金の財源
医薬品製造販売業者が納める2種類の拠出金(一般拠出金,付加拠出金)から,給付金を支払う
(1) 一般拠出金(機i構法19条1項)
許可医薬品製造販売業者一般が負担する拠出金
(2) 付加拠出金(機i構法19条7項)
前年度において支給が決定された,副作用救済給付の原因となった許可医薬品の製造販売業者が,一般拠出金に加えて負担する拠出金
4 抗がん剤副作用死被害救済制度の運用に要する費用
抗がん剤による副作用死亡症例の平成17年度から平成21年度の平均は,787症例。増減の可能性もあることから,今回は抗がん剤による副作用死亡症例が年間800症例あると仮定した。
また,現在の医薬品副作用被害救済制度において,死亡被害に対する救済率は,5%〜7%程度で推移している。
このため,抗がん剤副作用死被害救済制度の救済率が現状の救済率よりも高い、5%〜20%間で推移すると想定した場合の救済症例数,給付に必要な金額,必要とされる拠出金率を計算したところ以下の表のとおりとなった。給付症例数が160名(副作用死症例が800症例である場合で救済率20%),係数が1の場合,必要な拠出金率は1.87/1000であり,2/1000という機構法の制限の範囲内におさまる。同じ給付症例数で,係数が2の場合(現行制度でも新薬の係数は2とされている),必要とされる拠出金率は0.94であり,制度開始当時の1/1000より低い拠出金率での運用が可能となる。
5 まとめ
以上の通り、抗がん剤の副作用死亡被害者に対しても、現行制度の枠内での予算措置による救済が十分可能である。
医薬品副作用被害救済制度|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
政策レポート(医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度) (2010/4/2)
▽ 医薬品副作用被害救済制度・対象除外医薬品
・ 抗悪性腫瘍剤・免疫抑制剤など
・ 動物用医薬品、製造専用医薬品、体外診断用医薬品等関係
(ニ) 制度の対象とならない医薬品(除外医薬品)
(1) 一で述べたとおり、無許可医薬品及び治験薬は本法における医薬品には定義上含まれないことになるが、薬事法上の許可を受けた医薬品であっても、本条第一項各号の規定により制度の対象となる医薬品から除外されているものがある。これを除外医薬品といい、次に掲げるものである。
@ がんその他特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であって、厚生大臣の指定するもの
A 専ら動物のため使用されることが目的とされている医薬品その他厚生省令で定める医薬品
(2) 「がんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であって、厚生大臣の指定するもの」とは、右の使用に当たり相当の頻度で重い副作用の発生が予想されること、重篤な疾病等の治療のためにその使用が避けられずかつ代替する治療方法がないこと等の理由から副作用被害の発生が予想され、それを受忍せざるを得ないと認められる医薬品を除外医薬品として規定したものである。この規定に基づき、昭和54年10月厚生省告示第168号により制がん剤45品目、免疫抑制剤2品目及び血液製剤が除外医薬品として次のように定められている。
除外医薬品一覧表(昭和54年厚生省告示第168号による)
【中略】
除外医薬品とされている制がん剤の中には、作用機序や発現する副作用の程度も異なるクレスチン、ピシバニールは含まれていない。また、ここで血液製剤とは、新鮮血液、保存血液、血液成分製剤等人の血液成分を原料として製造された製剤をいうものであり、動物の血液成分を原料として製造された製剤は含まれない。
なお、血液製剤の中でも、人の免疫グロブリンを主成分とする製剤、加熱人血漿蛋白、人血清アルブミン及び人フィブリン膜については、副作用発現の頻度等が他のものと異なることから、除外医薬品とはされていない。
▲ 厚生省薬務局 編、医薬品副作用被害救済制度の解説、中央法規出版株式会社、1982年6月25日
生物由来製品感染等被害救済制度|独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
独立行政法人医薬品医療機器総合機構法
独立行政法人医薬品医療機器総合機構法施行令
独立行政法人医薬品医療機器総合機構法施行規則
厚生労働省:医薬品副作用被害救済制度の周知について (2009/10/23)
医薬品副作用被害救済制度の解説 厚生省薬務局 (1982年6月)
【目次】関係部分のみ
第1部 医薬品副作用被害救済制度創設の経緯と概要
第3章 救済制定の考え方と概要
第1節 救済制度の基本的な考え方
1 医薬品副作用被害の特徴と救済制度の必要性
2 副作用被害発生の責任
3 副作用被害の救済の方法
第2節 救済制度の仕組と責任分担
1 仕組の検討と選択
2 救済制度における責任分担
第3節 救済制度の概要
1 基金の性格
2 基金の業務の分類
3 救済給付業務
4 拠出金徴収業務
5 救済制度のシステム図等
第4章 外国の救済制度
1 日本の救済制度と外国の救済制度の比較
2 西ドイツの救済制度
3 スウエーデンの救済制度
▲ 厚生省薬務局 編、医薬品副作用被害救済制度の解説、中央法規出版株式会社、1982年6月25日
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