なぜ抗がん剤イレッサで多数の副作用死が出たのか
薬害イレッサ・損害賠償請求訴訟で明らかになった
抗がん剤の承認、指示警告、安全対策の問題点。
今後の薬害訴訟に活かすべき教訓を示す。
・ 薬害イレッサ訴訟統一原告団・弁護団が作成した「薬害イレッサ訴訟 最高裁での早期全面解決を」
A4版12ページ。頒価200円で普及を進めています。
薬害イレッサ訴訟パンフレット2013.pdf
・ 薬害イレッサ訴訟パンフレット2013 注文書
・ 薬害イレッサQ&A (2013/03/13)
イレッサの多くの「なぜ?」に、今後答えていきます。(最高裁判所前で毎月配布しているチラシに連載中)
・ 「イレッサ薬害 判決で真実は明かされたのか」
A5版216ページ。2,100円。2012年3月発行の最新情報。
・ イレッサ薬害 紹介
・ イレッサ販売金額の推移 (2013/02/12)
販売額から投与患者数の推定、諸外国と販売量の差を示す。
・ イレッサの副作用被害者数 (2012/11/20)
副作用死が減少するには、発売後の安全対策が十分でなかったことを時系列で示す。
2012年9月末までに厚生労働省へ報告された副作用症例数は2328、そのうち死亡患者は857人。
・ リーフレット「最高裁での勝利をめざして」 (2012/4/16)
・ 薬害イレッサの責任を明らかにし、早期解決を望みます ― 最高裁判所への上申書 ― 藤竿伊知郎(2012/4/19)
宣伝場所:最高裁判所西門
【要請先】最高裁判所
【要請事項】
薬害イレッサ事件について、東京・大阪両高裁判決を見直し、被害の救済と薬害イレッサ訴訟の全面的な解決につながる公正な判断をくだすこと
▼ 薬害イレッサ:署名活動 まとめページ
イレッサは、イギリスに本社を置くアストラゼネカ社が開発した肺がん治療薬。2002年7月、日本が世界初の製造承認をしました。5カ月という異例の速さで審査でした。
「副作用の少ない夢の新薬」という宣伝で売り出されましたが、発売直後から多数の副作用被害者を出しています。2011年9月まで間に843人の副作用死が報告されています。
医薬品の承認制度のあり方、宣伝広告・販売のあり方を問う裁判は、2004年に提訴され、2010年8月に結審しました。
2011年1月7日、大阪地方裁判所と東京地方裁判所は、薬害イレッサ訴訟に関する和解勧告をおこないましたが、1月28日、被告側に拒否されました。大阪地裁ではアストラゼネカ社、東京地裁ではアストラゼネカ社と国の責任を認める判決が出ました。
原告全員の救済、未提訴被害者の救済を含め、全面解決要求書に基づく全面解決をめざしています。
・ 薬害イレッサ全面解決要求書 2011年6月版
・ 薬害イレッサ訴訟の早期解決を強く要望します 日本科学者会議 保健医療福祉問題研究委員会 (2011/6/2)
・ いわゆる『下書き』提供問題調査報告書に対する声明 薬害イレッサ訴訟統一原告団・弁護団 (2011/5/24)
情勢に応じて行動します。最新の情報は、薬害イレッサ弁護団から。
● 裁判傍聴・宣伝行動
日時 2011年9月6日(火)
9時〜10時 裁判所前宣伝
11時〜12時 東京高等裁判所
薬害イレッサ全面解決要求書 2011年6月版・全文
・ 薬害イレッサ全面解決要求書 2010年8月版
2011年1月7日、大阪地方裁判所と東京地方裁判所は、薬害イレッサ訴訟に関する和解勧告をおこないました。
その勧告の中で裁判所は、致死的な間質性肺炎について十分な注意喚起を行なわなかった被告企業および被告国の責任を、明確に指摘しています。特に、承認時の初版添付文書についての被告らの責任を指摘していることは画期的で、今後の薬害防止において有益です。
早期解決を求めて原告団は、和解協議に応じることを被告アストラゼネカ社と被告国に求めてきました。しかし、1月28日、拒否されました。
1月7日の和解勧告が国とアストラゼネカ社に拒否されたため判決を受けました。
● 西日本訴訟
判決日 2011年2月25日(金) 15:00
大阪地方裁判所 202号法廷
大阪地裁はアストラゼネカ社の責任を認めました。一方で、国の社会的責任は指摘しながらも国家賠償責任を認めませんでした。
薬害イレッサ大阪判決に対する原告・弁護団声明
薬害イレッサ:大阪地方裁判所判決要旨
薬害イレッサ西日本訴訟判決(大阪判決)第5分冊 | 薬害イレッサ弁護団
● 東日本訴訟
判決日 2011年3月23日(水) 15:00
東京地方裁判所 101号法廷
東京地裁は国とアストラゼネカ社の責任を認めました。
・ 薬害イレッサ訴訟 東京地裁判決の意義 薬害イレッサ訴訟統一原告・弁護団
・ 薬害イレッサ東京判決に対する原告・弁護団声明
・ 薬害イレッサ東京判決 要旨
・ 3月23日東京判決(第3分冊) | 薬害イレッサ弁護団
(国とアストラゼネカの責任について述べた部分)
薬害イレッサの早期全面解決をめざして署名活動を進めています。
・薬害イレッサ訴訟の早期解決を求める要請書(個人署名) 署名用紙
・薬害イレッサ訴訟の早期解決を求める要請書(団体署名) 署名用紙 (2011/6)
・抗がん剤の副作用死亡と医薬品副作用による胎児死亡について被害救済制度の創設を求める請願
▼ 薬害イレッサ:署名活動 まとめページ
東京民医連薬剤師部会「薬害イレッサ学習会」 講師:阿部哲二(薬害イレッサ弁護団)他 (2011/6/25)
イレッサの再審査に関する意見書(2010/11/10)
イレッサは2002年7月に輸入承認されてから8年を経過し、再審査を受けています。イレッサは、発売直後から間質性肺炎による多数の副作用被害を起こし、2010年3月末までに810名の方が命を落としました。
承認審査とその後の行政対応が問われています。2010年11月10日、薬害オンブズパースン会議・日本科学者会議保健医療福祉問題研究委員会・薬害対策弁護士連絡会・薬害イレッサ訴訟弁護団の4団体が、イレッサの再審査に対する意見書を厚生労働省へ提出しました。
全日本民医連学習会「薬害イレッサ」 講師:津田二郎(薬害イレッサ弁護団) (2010/8/25)
スライド 85枚、1.7MBytes
薬害イレッサ: イレッサ販売金額の推移 (2013/02/12)
アメリカで販売が認められなくなった2005年以降、売上げは減少していた。2008年から日本と中国での販売活動が活発になっている。
イレッサは、世界の半分の金額を日本で売り上げている。一方、世界的にはイレッサより大きな販売額のタルセバが、日本ではイレッサの4割の販売額しか上げていない。
シンポジウム「医薬品の安全性と製薬企業のマーケティング」関口正人講演 (2010/6/5)
シンポジウム「医薬品の安全性と製薬企業のマーケティング」 | 薬害オンブズパースン会議
薬害イレッサが私たちに問いかけているもの − 承認審査の実態と医療現場での医薬品評価について (2009/10/02)
第9回 全日本民医連学術・運動交流集会 (2009年10月2日、群馬県前橋市)
発表者:宮地 典子(株式会社 エイトライフ)
何がこれだけの被害をもたらしたか? 【スライド No.7】
1. 5カ月あまりのスピード承認・・・世界初 ずさんな審査
2. 市販後の多数の副作用死の発生に対し迅速対応せず
3. 承認条件である臨床試験結果で延命効果を証明できなかったにもかかわらず、規制せず
4. 承認前から積極的な広告宣伝による過大な期待醸成
薬害イレッサ 用語集 第3版 (2009/06/10)
薬害イレッサ 用語集 第3版 (印刷用 pdf形式) (2009/06/10)
▼ 薬害イレッサ 訴訟 まとめページ
イレッサは2002年7月の承認後、間質性肺炎・急性肺傷害の副作用被害を引き起こした。2011年3月末までに厚生労働省へ報告された副作用の数は2226例、そのうち死亡患者は825人となっている。
死亡者の2割(180名)は発売後6カ月以内、5割(411名)は20カ月までに亡くなっており、発売直後に多数の被害者を出している。
◆ ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2011/ 3) (Excelファイル)、
― 投与患者数、販売金額推移のデータも入っています。
データ出典:田村智子議員に対する厚生労働省の回答 (2011/7/22)
イレッサの死亡率の試算(初年度4%) | 薬害イレッサ弁護団
原告・弁護団は、全面解決要求書で「抗がん剤による副作用死を対象とする副作用被害救済制度を創設すること」を求めています。
▼ 副作用死被害救済制度 まとめページ抗がん剤副作用死被害救済制度の創設
原告・弁護団は、新しく作る制度の必要性と運用可能性を次のように説明しています。
1 抗がん剤副作用死被害救済制度の創設をめざして (2010/10/22)
2 抗がん剤副作用死救済制度の給付内容と運用費用について (2010/10/22)
現在の医薬品副作用被害救済制度
薬害イレッサ東京支援連絡会ニュース No.19 (2011/2/9)
イレッサは「手術不能又は再発非小細胞肺癌」という、制限の緩い適応で承認されました。イレッサと同じEGFRチロシンキナーゼ阻害剤作用をもつ肺がん治療薬タルセバは、「切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌」と第二次選択であることを明示した適応で、2007年10月に承認されています。
また、タルセバには「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。」という承認条件がつきました。
これは、イレッサでの間質性肺炎多発の教訓を受けて決まった規制です。しかし、イレッサには同様の規制をおこなっていません。
そのため、臨床試験で延命効果が証明されているタルセバが、使用医師の登録と全例調査、適応制限もあって使いにくいと判断され、臨床現場で敬遠される状況があります。有効性と安全性のバランスから見て、逆転した規制結果になっています。
・ イレッサとタルセバの規制比較 (2010/09/11)※ このページへのリンクは、ご自由にどうぞ
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