イレッサは2002年7月の承認後、間質性肺炎・急性肺傷害の副作用被害を引き起こした。2012年9月末までに厚生労働省へ報告された副作用の数は2328例、そのうち死亡患者は857人となっている。
死亡者の2割(180名)は発売後6カ月以内、5割(442名)は21カ月までに亡くなっており、発売直後に多数の被害者を出している。
副作用報告数・死亡例数グラフ (2012/ 9)
ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2012/ 9) (Excelファイル)、
― 投与患者数、販売金額推移のデータも入っています。
● データ出典:
・ 田村智子議員に対する厚生労働省の回答 (2012/11)
年 | 月 | 報告例数 | 死亡例数 | 累積数 |
---|---|---|---|---|
2002 | 7 | 1 | 1 | 1 |
8 | 5 | 3 | 4 | |
9 | 12 | 7 | 11 | |
10 | 110 | 51 | 62 | |
11 | 169 | 81 | 143 | |
12 | 90 | 37 | 180 | |
2003 | 1 | 79 | 27 | 207 |
2 | 52 | 18 | 225 | |
3 | 42 | 18 | 243 | |
4 | 50 | 22 | 265 | |
5 | 41 | 17 | 282 | |
6 | 31 | 13 | 295 | |
7 | 37 | 14 | 309 | |
8 | 26 | 10 | 320 | |
9 | 29 | 8 | 327 | |
10 | 55 | 26 | 353 | |
11 | 28 | 11 | 364 | |
12 | 43 | 19 | 383 | |
2004 | 1 | 47 | 22 | 405 |
2 | 35 | 7 | 412 | |
3 | 97 | 31 | 443 |
厚生労働省は副作用の多発を受け、2002年中に対策をとった。しかし、副作用死の報告が減ったのは2005年になってからである。
2002年10月15日の「緊急安全性情報」をアストラゼネカ社に出させ、間質性肺炎での死亡11例を注意喚起。「7月16日の発売以降10月11日まで(推定使用患者数およそ7000人以上)に本剤との関連性を否定できない間質性肺炎を含む肺障害が22例」報告としている。添付文書に警告欄新設。
2002年12月25日、「安全性問題検討会」。安全性対策を通知。1)治療を開始するにあたり、患者に本剤の有効性・安全性、息切れ等の副作用の初期症状、非小細胞肺癌の治療法、致命的となる症例があること等について十分に説明し、同意を得た上で投与する、2)投与開始後4週間は入院を原則とする。
年 | 月日 | イベント | 臨床試験 |
---|---|---|---|
2002 | 7/16 | 販売開始 | |
8/5 | FDAへの承認申請完了 | ||
8/19 | INTACT試験 報告 | ||
10/15 | 緊急安全性情報、添付文書改訂 | ||
12/25 | ゲフィチニブ安全性問題検討会 第1回 | ||
2003 | 2/11 | EUへ承認申請 | |
5/2 | ゲフィチニブ安全性問題検討会 第2回 | ||
5/5 | FDAイレッサ承認 | ||
2004 | 7/15 | 西日本訴訟提訴 | |
10 | プロスペクティブ調査(特別調査)報告 | ||
11/25 | 東日本訴訟提訴 |
||
12 | ISEL試験 初回解析 | ||
2005 | 1/4 | EUへの承認申請取り下げ | |
1/20 | ゲフィチニブ検討会 第1回 | ||
3/15 | 日本肺癌学会のゲフィチニブ使用ガイドライン | ||
5/3−24 | ゲフィチニブ検討会 第2−4回 | ||
5 | ISEL試験 最終解析 | ||
5/14 | SWOG0023試験 中間解析 | ||
6/17 | FDA、新規患者への投与の原則禁止 | ||
7/25 | 日本肺癌学会、ゲフィチニブ使用ガイドライン改訂 |
2012年3月末までに厚生労働省へ報告された副作用の数は2305例、そのうち死亡患者は847人。
副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2012/ 3) (Excelファイル)、副作用報告数・死亡例数グラフ (2012/ 3)副作用報告数・死亡例数グラフ (2012/ 3)
副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2011/ 9) (Excelファイル)、副作用報告数・死亡例数グラフ (2011/ 9)
● データ出典:
・ 田村智子議員に対する厚生労働省の回答 (2011/11/14)
・ 医薬品等安全対策部会審議会資料|厚生労働省
資料5−3 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について(PDF:284KB)
副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2011/ 3) (Excelファイル)、副作用報告数・死亡例数グラフ (2011/ 3)
データ出典:
・ 田村智子議員に対する厚生労働省の回答 (2011/ 7/22)
・ 医薬品等安全対策部会審議会資料|厚生労働省
資料6−2 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について(PDF:127KB)
副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2010/ 9) (Excelファイル)、
副作用報告数・死亡例数グラフ (2010/ 9)
データ出典:
・ 田村智子議員に対する厚生労働省の回答 (2010/11/10)
・ 医薬品等安全対策部会審議会資料|厚生労働省
資料5−4 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について(PDF:735KB)
副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2010/ 3) (Excelファイル)、
副作用報告数・死亡例数グラフ(2010/ 3)
データ出典:
・ 小池晃議員に対する厚生労働省の回答 (2010/ 6/ 8)
・ 医薬品等安全対策部会審議会資料|厚生労働省
資料7−3 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について(PDF:93KB)
・ 副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2009/ 9) (Excelファイル)、
副作用報告数・死亡例数グラフ(2009/ 9)
データ出典:
・ 小池晃議員に対する厚生労働省の回答
・ 厚生労働省:平成21年度第2回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会資料
資料No.6−2 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について(PDF:324KB)
・ 副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2009/ 3) (Excelファイル)、
副作用報告数・死亡例数グラフ(2009/ 3)
データ出典:小池晃議員に対する厚生労働省の回答
・ 副作用報告の報告例数及び死亡例数 (2008/ 3) (Excelファイル)、
副作用報告数・死亡例数グラフ(2008/ 3)
データ出典:平成20年度第2回 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 安全対策調査会 配付資料4 (2008/ 8/ 1)