(目的) |
第1条 |
医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構は、医薬品の副作用による疾病、障害又は死亡に関して、医療費、障害年金、遺族年金等の給付を行うこと等により、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。 |
2 |
医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構は、前項に規定するもののほか、医薬品技術等に関する基礎的研究に関する業務を行い、及び民間において行われる医薬品技術等に関する試験研究の促進に関する業務を行うことにより、国民の健康の保持増進に寄与する医薬品技術等の開発を振興するとともに、医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に資する調査等の業務を行い、もつて国民保健の向上に資することを目的とする。 |
(定義) |
第2条 |
この法律(次項を除く。)で「医薬品」とは、薬事法(昭和35年法律第145号)第2条第1項に規定する医薬品であつて、専ら動物のために使用されることが目的とされているもの以外のものをいう。 |
2 |
この法律で「許可医薬品」とは、薬事法第2条第1項に規定する医薬品であつて、同法第12条第1項に規定する医薬品の製造業の許可若しくは同法第18条第1項(同法第23条において準用する場合を含む。)に規定する医薬品の製造品目の変更等の許可又は同法第22条第1項に規定する医薬品の輸入販売業の許可を受けて製造され、又は輸入されたものをいう。ただし、次に掲げる医薬品を除く。 |
|
1 |
がんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であつて、厚生労働大臣の指定するもの |
2 |
専ら動物のために使用されることが目的とされている医薬品その他厚生労働省令で定める医薬品 |
3 |
この法律で「医薬品の副作用」とは、許可医薬品が適正な使用目的に従い適正に使用された場合においてもその許可医薬品により人に発現する有害な反応をいう。 |
4 |
この法律で「医薬品技術」とは、医薬品の生産又は販売に関する技術のうち厚生労働省の所掌に係るものであつて、その品質、有効性及び安全性の確保又は向上に寄与するものその他国民の健康の保持増進に相当程度寄与するものをいう。 |
5 |
この法律で「希少疾病用医薬品」とは、薬事法第2条第6項に規定する希少疾病用医薬品をいう。 |
|
(法人格) |
第3条 |
医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(以下「機構」という。)は、法人とする。 |
(数) |
第4条 |
機構は、一を限り、設立されるものとする。 |
(基本金) |
第4条の2 |
機構の資本金は、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律(昭和62年法律第32号)附則第2条第4項の規定により政府が出資した額及び同条第3項の規定による求めに応じて政府以外の者が出資した額の合計額とする。 |
2 |
機構は、必要があるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。 |
3 |
政府は、前項の規定により機構がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。この場合において、政府は、第27条第2項第1号及び第2号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務、同条第3項第1号に掲げる業務並びに同条第4項第1号に掲げる業務(以下「基礎的研究業務」という。)に必要な資金又は同条第2項第3号から第8号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務、同条第3項第2号に掲げる業務並びに同条第4項第2号に掲げる業務(以下「研究振興業務」という。)に必要な資金のそれぞれ充てるべき金額を示すものとする。 |
4 |
前項の規定により基礎的研究業務に必要な資金に充てるべきものとして出資された政府の出資金及びこれを運用した場合に生ずる利子その他の運用利益金は基礎的研究業務の財源に、同項の規定により研究振興業務に必要な資金に充てるべきものとして出資された政府の出資金及び政府以外の者の出資金並びにこれらを運用した場合に生ずる利子その他の運用利益金は研究振興業務の財源に、それぞれ充てなければならない。 |
(持分の払戻し等の禁止) |
第4条の3 |
機構は、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。 |
2 |
機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。 |
(持分移転の対抗要件) |
第4条の4 |
出資者の持分の移転は、取得者について第47条の2第2項各号に掲げる事項を出資者原簿に記載した後でなければ、機構その他の第三者に対抗することができない。 |
(名称) |
第5条 |
機構は、その名称中に医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構という文字を用いなければならない。 |
2 |
機構でない者は、その名称中に医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構という文字を用いてはならない。 |
(登記) |
第6条 |
機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。 |
2 |
前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。 |
(民法の準用) |
第7条 |
民法(明治29年法律第89号)第44条及び第50条の規定は、機構について準用する。 |
(発起人) |
第8条 |
機構を設立するには、医薬品の副作用による健康被害の救済、医薬品技術等の開発並びに医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上について学識経験を有する者7人以上が発起人となることを必要とする。 |
(設立の認可等) |
第9条 |
発起人は、定款及び事業計画書を厚生労働大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。 |
2 |
前項の事業計画書に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。 |
第10条 |
厚生労働大臣は、設立の認可をしようとするときは、前条第1項の規定による認可の申請が次の各号に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。 |
|
1 |
設立の手続並びに定款及び事業計画書の内容が法令の規定に適合するものであること。 |
2 |
定款又は事業計画書に虚偽の記載がないこと。 |
3 |
事業の運営が健全に行われ、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済、医薬品技術等の開発の振興並びに医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に寄与することが確実であると認められること。 |
|
第11条 |
厚生労働大臣は、前条の規定により認可をしたときは、遅滞なく、発起人が推薦した者のうちから、機構の理事長又は監事となるべき者を指名する。 |
2 |
前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、機構の成立の時において、それぞれ第17条第1項の規定により理事長又は監事に任命されたものとする。 |
(事務の引継ぎ) |
第12条 |
前条第1項の規定により理事長となるべき者が指名されたときは、発起人は、遅滞なく、その事務を理事長となるべき者に引き継がなければならない。 |
(設立の登記) |
第13条 |
理事長となるべき者は、前条の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。 |
2 |
機構は、設立の登記をすることによつて成立する。 |
(定款記載事項) |
第14条 |
機構の定款には、次の事項を記載しなければならない。 |
|
1 |
目的 |
2 |
名称 |
3 |
事務所の所在地 |
4 |
資本金、出資及び資産に関する事項 |
5 |
役員に関する事項 |
6 |
評議員会に関する事項 |
7 |
業務及びその執行に関する事項 |
8 |
財務及び会計に関する事項 |
9 |
定款の変更に関する事項 |
10 |
公告の方法 |
|
2 |
機構の定款の変更は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 |
(役員) |
第15条 |
機構に、役員として、理事長1人、理事4人以内及び監事1人を置く。 |
(役員の職務及び権限) |
第16条 |
理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。 |
2 |
理事は、定款で定めるところにより、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。 |
3 |
監事は、機構の業務を監査する。 |
4 |
監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は厚生労働大臣に意見を提出することができる。 |
(役員の任命) |
第17条 |
理事長及び監事は、厚生労働大臣が任命する。 |
2 |
理事は、厚生労働大臣の認可を受けて、理事長が任命する。 |
(役員の任期) |
第18条 |
理事長の任期は、3年とし、理事及び監事の任期は、2年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。 |
2 |
役員は、再任されることができる。 |
(役員の欠格条項) |
第19条 |
政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。 |
(役員の解任) |
第20条 |
厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。 |
2 |
厚生労働大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。 |
|
1 |
心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。 |
2 |
職務上の義務違反があるとき。 |
3 |
理事長は、前項の規定により理事を解任しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 |
|
(役員の兼職禁止) |
第21条 |
役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、厚生労働大臣の承認を受けたときは、この限りでない。 |
(代表権の制限) |
第22条 |
機構と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合には、監事が機構を代表する。 |
(評議員会) |
第23条 |
機構に、財政計画その他機構の運営に関する重要事項を審議する機関として、評議員会を置く。 |
2 |
評議員会は、評議員30人以内で組織する。 |
3 |
評議員は、第31条第1項に規定する製造業者等が加入している団体又はその連合団体の役員及び機構の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、厚生労働大臣の認可を受けて、理事長が任命する。 |
(職員の任命) |
第24条 |
機構の職員は、理事長が任命する。 |
(役員等の秘密保持義務等) |
第25条 |
機構の役員、評議員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、その職務に関して知り得た秘密を漏らし、又はその職務に関して知り得た他人の業務上の秘密を自己の利益のために使用してはならない。 |
(役員等の公務員たる性質) |
第26条 |
機構の役員、評議員及び職員は、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。 |
(業務) |
第27条 |
機構は、第1条第1項の目的を達成するため、次の業務を行う。 |
|
1 |
医薬品の副作用による疾病、障害又は死亡につき、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料の給付(以下「救済給付」という。)を行うこと。 |
2 |
救済給付の支給に係る者について保健福祉事業を行うこと。 |
3 |
拠出金を徴収すること。 |
4 |
前3号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。 |
|
2 |
機構は、第1条第2項の目的を達成するため、次の業務を行う。 |
|
1 |
医薬品技術に関する基礎的研究を行うこと。 |
2 |
前号に掲げる業務に係る成果を普及すること。 |
3 |
民間において行われる医薬品技術に関する試験研究に必要な資金の出資及び貸付けを行うこと。 |
4 |
政府等(政府及び独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下この号において同じ。)をいう。次号において同じ。)以外の者に対し、医薬品技術に関する試験研究を国の試験研究機関又は試験研究に関する業務を行う独立行政法人と共同して行うことについてあつせんすること。 |
5 |
政府等以外の者の委託を受けて、医薬品技術に関する試験研究を行うこと。 |
6 |
海外から医薬品技術に関する研究者を招へいすること。 |
7 |
医薬品技術に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。 |
8 |
医薬品技術に関し調査すること。 |
9 |
希少疾病用医薬品に関する試験研究に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。 |
10 |
希少疾病用医薬品に関する試験研究に係る指導及び助言を行うこと。 |
11 |
行政庁の委託を受けて、薬事法第14条の2第1項(同法第14条の4の2(同法第19条の4及び第23条において準用する場合を含む。)、第14条の5の2(同法第19条の4及び第23条において準用する場合を含む。)、第19条の2第4項及び第5項並びに第23条において準用する場合を含む。)及び第80条の4第1項に規定する調査その他医薬品の品質、有効性及び安全性の向上に関する業務を行うこと。 |
12 |
民間において行われる医薬品に係る治験に関し指導及び助言を行うこと。(第10号に掲げる業務を除く。) |
13 |
民間において行われる医薬品の安全性に関する試験その他の試験及び医薬品の使用の成績等に関する調査の実施に関し指導及び助言を行うこと。(第10号及び前号に掲げる業務を除く。) |
14 |
医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報を収集し、整理し、及び提供し、並びにこれらに関し相談に応じること。(第7号に掲げる業務を除く。) |
15 |
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。 |
|
3 |
機構は、前項に規定する業務のほか、次の業務を行うことができる。 |
|
1 |
医療用具(薬事法第2条第4項に規定する医療用具をいい、専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)その他人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている物の生産又は販売に関する技術のうち厚生労働省の所掌に係るものであつて、これらの品質、有効性及び安全性の確保又は向上に寄与するものその他国民の健康の保持増進に相当程度寄与するもの(医薬品技術を除く。)につき、前項第1号及び第2号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に相当する業務 |
2 |
前号に規定する技術につき、前項第3号から第8号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務に相当する業務 |
3 |
希少疾病用医療用具(薬事法第2条第6項に規定する希少疾病用医療用具をいう。第35条の2において同じ。)につき、前項第9号及び第10号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務に相当する業務 |
4 |
医薬部外品(薬事法第2条第2項に規定する医薬部外品をいい、専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)及び同条第3項に規定する化粧品につき、前項第11号から第14号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務に相当する業務 |
|
4 |
機構は、前2項に規定する業務のほか、次の業務を行うことができる。 |
|
1 |
医薬品技術等に関する基礎的研究に関する第1条第2項の目的を達成するために必要な業務(次号及び第3号に掲げる業務を除く。) |
2 |
医薬品技術等に関する試験研究の促進に関する第1条第2項の目的を達成するために必要な業務(次号に掲げる業務を除く。) |
3 |
希少疾病用医薬品等に関する試験研究の促進に関する第1条第2項の目的を達成するために必要な業務 |
4 |
医薬品等の品質、有効性及び安全性の向上に関する第1条第2項の目的を達成するために必要な業務 |
5 |
機構は、第1項第2号に掲げる業務又は前項に規定する業務を行おうとするときは、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。 |
|
(救済給付) |
第28条 |
救済給付は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者に対して行うものとし、救済給付を受けようとする者の請求に基づき、機構が支給を決定する。 |
|
1 |
医療費及び医療手当 |
医薬品の副作用による疾病について政令で定める程度の医療を受ける者 |
2 |
障害年金 |
医薬品の副作用により政令で定める程度の障害の状態にある18歳以上の者 |
3 |
障害児養育年金 |
医薬品の副作用により政令で定める程度の障害の状態にある18歳未満の者を養育する者 |
4 |
遺族年金又は遺族一時金 |
医薬品の副作用により死亡した者の政令で定める遺族 |
5 |
葬祭料 |
医薬品の副作用により死亡した者の葬祭を行う者 |
|
2 |
救済給付は、前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合は、行わない。 |
|
1 |
その者の医薬品の副作用による疾病、障害又は死亡が予防接種法(昭和23年法律第68号)又は結核予防法(昭和26年法律第96号)の規定による予防接種を受けたことによるものである場合 |
2 |
その者の医薬品の副作用による疾病、障害又は死亡の原因となつた許可医薬品について賠償の責任を有する者があることが明らかな場合 |
3 |
その他厚生労働省令で定める場合 |
|
3 |
救済給付の額、請求の期限、支給方法その他救済給付に関して必要な事項は、政令で定める。 |
(判定の申出) |
第29条 |
機構は、前条第1項の規定による支給の決定につき、救済給付の請求のあつた者に係る疾病、障害又は死亡が、医薬品の副作用によるものであるかどうかその他医学的薬学的判定を要する事項に関し、厚生労働大臣に判定を申し出るものとする。 |
2 |
厚生労働大臣は、前項の規定による判定の申出があつたときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて判定を行い、機構に対し、その結果を通知するものとする。 |
(救済給付の中止等) |
第30条 |
機構は、救済給付を受けている者に係る疾病、障害又は死亡の原因となつた許可医薬品について賠償の責任を有する者があることが明らかとなつた場合には、以後救済給付は行わない。 |
2 |
機構は、救済給付に係る疾病、障害又は死亡の原因となつた許可医薬品について賠償の責任を有する者がある場合には、その行つた救済給付の価額の限度において、救済給付を受けた者がその者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 |
(拠出金) |
第31条 |
各年4月1日において薬事法第12条第1項又は同法第22条第1項の規定による許可医薬品の製造業の許可又は輸入販売業の許可を受けている者(第2条第2項各号に掲げる医薬品のみを製造し、又は輸入している者を除く。以下「製造業者等」という。)は、機構の第27条第1項に規定する業務(以下「救済給付業務」という。)に必要な費用に充てるため、各年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。以下同じ。)、機構に対し、拠出金を納付しなければならない。 |
2 |
前項の拠出金の額は、製造業者等が製造し、又は輸入した許可医薬品の前年度における総出荷数量を基礎として厚生労働省令で定めるところにより算定される算定基礎取引額に拠出金率を乗じて得た額(その額が政令で定める額に満たないときは、当該政令で定める額)とする。 |
3 |
前項の拠出金率は、機構が定める。 |
4 |
機構は、第2項の拠出金率を定め、又はこれを変更しようとするときは、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。 |
5 |
第2項の拠出金率は、救済給付に要する費用の予想額並びに救済給付業務に係る予定運用収入の額及び救済給付業務に係る政府の補助金があるときはその額に照らし、将来にわたつて機構の救済給付業務に係る財政の均衡を保つことができるものでなければならず、かつ、少なくとも5年ごとに、この基準に従つて再計算されるべきものとし、当分の間、千分の2を超えない範囲内の率とする。 |
6 |
機構が前年度において救済給付の支給を決定した者に係る疾病、障害又は死亡の原因となつた許可医薬品(以下この項において「原因許可医薬品」という。)を製造し、又は輸入した製造業者等の第1項の拠出金の額は、第2項の規定による額に、機構が前年度に支給を決定した救済給付のうち、当該製造業者等が製造し、又は輸入した原因許可医薬品によるものの現価に相当する額を基礎として厚生労働省令で定める算定方法により算定した額を加えた額とする。 |
7 |
拠出金の納期限、延納その他拠出金の納付に関して必要な事項は、政令で定める。 |
(資料の提出の請求) |
第32条 |
機構は、第27条第1項第3号に掲げる業務を行うため必要があるときは、製造業者等に対し、資料の提出を求めることができる。 |
2 |
前項の規定により資料の提出を求められた者は、遅滞なく、これを提出しなければならない。 |
(督促及び滞納処分) |
第33条 |
機構は、第31条第1項の拠出金の納付義務者が納期限までに同項の拠出金を納付しないときは、期限を指定して、これを督促しなければならない。 |
2 |
機構は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して10日以上経過した日でなければならない。 |
3 |
機構は、第1項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までにその督促に係る拠出金及び第5項の規定による延滞金を納付しないときは、国税の滞納処分の例により、厚生労働大臣の認可を受けて、滞納処分をすることができる。 |
4 |
前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。 |
5 |
機構は、第1項の規定により督促をしたときは、その督促に係る拠出金の額につき年14・5パーセントの割合で、納期限の翌日からその拠出金の完納の日又は財産の差押えの日の前日までの日数により計算した額の延滞金を徴収することができる。ただし、厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。 |
(業務の委託) |
第34条 |
機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、第27条第1項第2号に掲げる業務の一部を委託することができる。 |
2 |
機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、第27条第1項第3号に掲げる業務(督促及び滞納処分を除く。)の一部を製造業者等が加入している団体又はその連合団体で厚生労働大臣の指定するものに委託することができる。 |
3 |
機構は、厚生労働大臣の認可を受けて定める基準に従つて、第27条第2項第1号に掲げる業務及び同条第3項第1号に掲げる業務(同条第2項第1号に掲げる業務に相当する業務に限る。)の一部を委託することができる。 |
(業務方法書) |
第35条 |
機構は、業務の開始前に、業務方法書を作成し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 |
2 |
前項の業務方法書に記載すべき事項は、厚生労働省令で定める。 |
(試験研究実施者等の納付金) |
第35条の2 |
機構は、業務方法書で定めるところにより、第27条第2項第9号の助成金の交付又は同条第3項第3号の規定による希少疾病用医療用具に係る助成金の交付を受けた者であつて、当該助成金に係る希少疾病用医薬品又は希少疾病用医療用具に関する試験研究を行つた者又はその承継人(以下この条において「試験研究実施者等」という。)から、当該希少疾病用医薬品又は希少疾病用医療用具の利用により試験研究実施者等が得た収入又は利益の一部を第27条第2項第9号及び第10号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務、同条第3項第3号に掲げる業務並びに同条第4項第3号に掲げる業務(以下「希少疾病用医薬品等開発振興業務」という。)に充てるための納付金として徴収することができる。 |
(事業年度) |
第36条 |
機構の事業年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。 |
(予算等の認可) |
第37条 |
機構は、毎事業年度、予算、事業計画及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 |
(財務諸表) |
第38条 |
機構は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(以下「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後3月以内に厚生労働大臣に提出して、その承認を受けなければならない。 |
2 |
機構は、前項の規定により財務諸表を厚生労働大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。 |
3 |
機構は、第1項の規定による厚生労働大臣の承認を受けた財務諸表並びに前項の事業報告書及び決算報告書をその事務所に備えて置かなければならない。 |
(書類の送付) |
第38条の2 |
機構は、第37条の認可又は前条第1項の承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る予算、事業計画及び資金計画に関する書類又は財務諸表を政府以外の出資者に送付しなければならない。 |
(区分経理) |
第38条の3 |
機構は、次の各号に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。 |
|
1 |
救済給付業務 |
2 |
研究振興業務 |
3 |
基礎的研究業務及び希少疾病用医薬品等開発振興業務 |
4 |
第27条第2項第11号から第14号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務、同条第3項第4号に掲げる業務並びに同条第4項第4号に掲げる業務 |
|
(責任準備金の積立て) |
第39条 |
機構は、救済給付業務に係る勘定においては、厚生労働省令で定めるところにより、毎事業年度末において、責任準備金を計算し、これを積み立てなければならない。 |
(利益及び損失の処理) |
第40条 |
機構は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額(研究振興業務に係る勘定にあつては、当該勘定に係る残余の額に政令で定める率を乗じて得た額以上の額)は、積立金として整理しなければならない。 |
2 |
機構は、研究振興業務に係る勘定において、前項の規定による積立てを行つた後、なお残余があるときは、厚生労働大臣の認可を受けて、その残余の額を出資者の出資に対しそれぞれの出資額に応じて分配することができる。 |
3 |
機構は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、第1項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。 |
(借入金) |
第41条 |
機構は、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金又は短期借入金をすることができる。 |
2 |
前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。 |
ただし、資金の不足のため償還することができない金額に限り、厚生労働大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。 |
3 |
前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、1年以内に償還しなければならない。 |
(余裕金の運用) |
第42条 |
機構は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。 |
|
1 |
国債その他厚生労働大臣の指定する有価証券の保有 |
2 |
財政融資資金への預託 |
3 |
厚生労働大臣の指定する金融機関への預金 |
4 |
その他厚生労働省令で定める方法 |
|
(補助金) |
第43条 |
政府は、政令で定めるところにより、特定の医薬品の副作用による健康被害の救済を円滑に行うため特に必要があると認めた場合には、機構に対し、救済給付に要する費用の一部を補助することができる。 |
(給与及び退職手当の支給の基準) |
第44条 |
機構は、役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 |
(厚生労働省令への委任) |
第45条 |
この法律に規定するもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。 |
(出資者原簿) |
第47条の2 |
機構は、研究振興業務に係る出資について出資者原簿を備えて置かなければならない。 |
2 |
出資者原簿には、各出資者について次の事項を記載しなければならない。 |
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1 |
氏名又は名称及び住所 |
2 |
出資の引受け及び出資金の払込みの年月日(出資者の持分の移転の場合には、その年月日) |
3 |
出資額 |
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3 |
政府以外の出資者は、出資者原簿の閲覧を求めることができる。 |
(帳簿の記載) |
第47条の3 |
機構は、帳簿を備え、第27条第2項第11号に掲げる業務(同条第3項第4号に掲げる業務のうち同条第2項第11号に係るものを含む。)に関し、厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない。 |
2 |
前項の帳簿は、厚生労働省令で定めるところにより保存しなければならない。 |
(解散) |
第48条 |
機構の解散については、別に法律で定める。 |
(審査の申立て等) |
第49条 |
救済給付の支給の決定又は拠出金の算定について不服がある者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、審査を申し立てることができる。 |
2 |
拠出金の督促及び滞納処分に不服がある者は、厚生労働大臣に対し、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)による審査請求をすることができる。 |
(受給権の保護及び公課の禁止) |
第50条 |
救済給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。 |
2 |
租税その他の公課は、救済給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。 |
(協議) |
第51条 |
厚生労働大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。 |
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1 |
第4条の2第2項、第31条第4項、第35条第1項、第37条、第40条第2項又は第41条第1項若しくは第2項の認可(第41条第1項又は第2項の認可にあつては、基礎的研究業務、研究振興業務及び希少疾病用医薬品等開発振興業務に係るものに限る。)をしようとするとき。 |
2 |
第27条第5項、第38条第1項又は第44条の承認(第27条第5項の承認にあつては、基礎的研究業務、研究振興業務及び希少疾病用医薬品等開発振興業務に係るものに限る。)をしようとするとき。 |
3 |
第42条第1号又は第3号の規定による指定をしようとするとき。 |
4 |
第42条第4号又は第45条の厚生労働省令を定めようとするとき。 |
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2 |
厚生労働大臣は、第35条第1項の認可(基礎的研究業務、研究振興業務及び希少疾病用医薬品等開発振興業務に係る部分に限る。)又は第37条の認可(基礎的研究業務、研究振興業務及び希少疾病用医薬品等開発振興業務に係る事業計画の部分に限る。)をしようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。 |
(他の法令の準用) |
第52条 |
不動産登記法(明治32年法律第24号)及び政令で定めるその他の法令については、政令で定めるところにより、機構を国の行政機関とみなして、これらの法令を準用する。 |
(経過措置) |
第53条 |
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。 |