2001年10月 わかば薬局発行
帯状疱疹
水痘・帯状疱疹ウィルスによって引き起こされる病気で、体の表面に帯状に紅味を帯びた丘疹や水疱が密集して生じます。同時に強い痛みや知覚過敏がおこるのが特徴です。
水痘・帯状疱疹ウィルスとは、水ぼうそう(水痘)を引き起こすウィルスのことです。水ぼうそうにかかって治癒した後、ウィルスは神経節(神経細胞の集まる節のようなところ)に潜伏します。その後、疲れやストレスがたまったり、大きな病気をした時や加齢などにより、免疫力が弱まった時に再びこのウィルスが活性化して、帯状疱疹を引き起こします。水疱が現れるのは、それまで潜伏していた神経節につながっている領域だけです。そのときに、知覚神経も刺激されるため、強い痛みが生じ、またまれに、運動神経が障害を受けることもあり、顔面神経麻痺、手足の運動神経麻痺をおこすことがあります。
まず、水疱が現れる前に皮膚の痛みやかゆみが出ます(出ない場合もあります)。その後、水疱が出始め、密集して帯状になります。一週間ほどで乾燥してかさぶたとなり、3〜4週間で消えてゆきます。しかし、抵抗力の弱まっている人や高齢者の場合、発熱、頭痛、倦怠感などの全身症状が出たり、発疹が消えた後も痛みだけが長く続くことがあります。
水ぼうそうにかかった人の体にはこのウィルスが住んでいるはずですから、帯状疱疹はそれほど珍しい病気ではありません。7〜8人に1人の割合で発生すると言われています。また、通常一度発症すれば、再発することはほとんどありません。
Q1.日常生活で気をつけることは?
疲労・ストレス・発熱・風邪など、抵抗力を弱めるような刺激はなるべく避けましょう。水疱がでる前にかゆみや軽い刺激感などが現れるので、症状を軽くすませるためにも早めの治療を心がけましょう。睡眠と栄養を十分にとり、安静に保つことが肝心です。
Q2.お風呂は入ってもいいの?
発疹範囲が広く、水疱が破れてただれている間はお風呂につかることは控えてください。新しい水疱を破ったり、かさぶたをはがさないように注意しながら毎日患部をシャワーで洗い流すようにしましょう。
Q3.うつるの?
水ぼうそうにかかったことがある人はこのウィルスに対する抵抗力を持っているので、帯状疱疹は一般的にはうつりません。ただし、水痘にかかったことのない人には、水ぼうそうとして伝染する可能性があります。
強い痛みを伴ったり、重症化することもある帯状疱疹ですが、最近はウィルスを抑える薬もあり、症状を重くしない治療も可能になりました。医師の指示を守り、薬や生活に気を配っていればそれほど怖い病気ではなくなりました。わかば薬局で帯状疱疹に使われるお薬は主に次のようなものです。
ウィルスを抑えるお薬で、なるべく発症早期に使用することが望まれますので、早めに受診するようにしましょう。ウィルスに対して十分な効果を表す為には規則正しく服用する必要があり、通常5〜7日間服用します。
アシクロビル (商品名:ゾビラックス200mg) |
通常1日5回、1回4錠ずつ服用します。 |
バラシクロビル (商品名:バルトレックス) |
体内でゾビラックスに変換され、抗ウィルス作用を表します。 通常1日3回、1回2錠ずつ服用します。 |
Q.抗ウィルス薬を飲み忘れてしまったら?
もし服用を忘れてしまった場合、その時点で1回分を服用し、その日の分は服用間隔が一定になるように自分で時間を調整して服用し、1日の服用回数を守るようにします。
疱疹に伴う痛みをやわらげます。胃腸障害を起こすことがあるので、その場合は胃薬を併用します。
疱疹に伴う痛みやしびれ、麻痺などを改善するために服用します。
アラセナA | ウイルスを抑える薬 |
ゾビラックス眼軟膏 | |
アンダーム軟膏 | 痛みや炎症を鎮める塗り薬 |
エルタシン軟膏 | 水疱の細菌感染を抑えるための抗生剤入り塗り薬 |